呼吸用保護具の選び方、使い方|防塵マスク|防毒マスク|PAPR|送気マスク

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呼吸用保護具10-1024x313

呼吸用保護具とは?

人体に有害のおそれがある環境空気中で呼吸保護の目的で着用する個人用保護具の総称。

呼吸用保護具の分類と使用区分

作業環境には,粉じん,ヒューム,ミスト,有毒ガスなどの有害物質が発生する場合がありますし,酸素欠乏(酸素濃度が18%未満となる状態)となる場合もあります。

このようなときは,適切な呼吸用保護具を着用することが必要です。

呼吸用保護具には,いろいろな種類があり,その体系は図1のようになります。

《注意》

呼吸用保護具は,完成品の状態で有害物質に対して有効となるように設計され

ていますので,使用者の判断による改造は絶対に行ってはなりません。

図1 呼吸用保護具の系統図

呼吸用保護具

注(1)給気式として使用する場合は,酸素濃度が18%未満の環境でも有効ですが,ろ過式として使用する場合は,酸素濃度が18%以上の環境でのみ有効です。

呼吸用保護具の種類

各種類の呼吸用保護具の内容は下記項目を選択してください。

防塵マスク 電動ファン付き呼吸用保護具  防毒マスク 送気マスク
防塵マスク 電動ファン付き呼吸用保護具 防毒マスク 送気マスク

濾過式

 濾過式とは,図1に示すように,防じんマスク,防毒マスクおよび電動ファン付き呼吸用保護具の総称で,名前が示すとおり,作業環境中の有害物質を捕集して,着用者に無害な空気を吸人させる呼吸用保護具です。

濾過式を使用してはならない環境

濾過式には,空気や酸素を供給する機能はありませんから,作業環境中の大気に酸素が不足していると,着用者は非常に危険な状態となります。また,有毒ガスの濃度が高い場合は,除去しきれないこともあります。
したがって,濾過式は,作業環境中の酸素濃度が18%未満の場合,あるいは有毒ガスなどの濃度がその呼吸用保護具の能力を超えている場合には,使用してはなりません。
作業環境中の大気が人間の生命・健康に直ちに危険な場合は,例外を除き濾過式の使用
は避けるべきです。

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2 作業環境と使用できる呼吸用保護具の種類

作業環境の有害の程度による呼吸用保護具の選択については,表2を参考にして下さい。

2.1 酸素濃度が不明または18%未満の環境

この場合は,給気式を選択する必要があります。給気式には,送気マスクと自給式呼吸器がありますが,いずれの種類でも使用できます。
ただし,その環境に存在する有毒物質の濃度が高く,短時間ばく露で生命・健康に危険がある場合には,対応できる種類が限られますので,注意が必要です。

2.2 酸素濃度が18%以上の環境

その環境に存在する有毒物質の濃度が低く,短時間ばく露で生命・健康に危険がない場合は,有毒物質の種類に応じて,ろ過式の呼吸用保護具を使用することができます。
有毒物質の短時間ばく露で生命・健康に危険がある場合は,表2を参考にして選択する必要があります。

表5.2-1 作業環境の有害の程度と有効な呼吸用保護具
(この表は,JIS T 8150 の付表1を基本にして作成したものです。)

呼吸用保護具3

○:使用可 ×:使用不可 △:使用可だが,フィットネスが良好であることを確認すること
注(2)電気を用いる呼吸用保護具を爆発のおそれのある環境で使用する場合は,防爆構造のものを使用して下さい。
(3)表における酵素濃度は,大気圧下の状態を示します。気圧の低い場所では,換算して判断しなければなりません。
(4)フェイスシールド形およびフード形は,使用することができません。
(5)自動的に給気源を他のものに切り換えられるように,緊急時給気警報装置を設置しなければなりません。

<ろ過式と給気式の相違点>

ろ過式は,環境空気中の有害物質を除去することはできても,酸素を供給する機能はありませんので,酸素欠乏環境で使用することはできません。
給気式は,作業環境とは異なる環境の空気または酸素などの呼吸可能なガスを供給する方式ですので,たとえ作業環境中の酸素濃度が不足していても有効です。
したがって,酸素欠乏環境では,必ず給気式を使用しなければなりませんが,有毒物質の濃度が高く,短時間ばく露で生命・健康に危険がある場合には,より防護性能の高いプレッシャデマンド形などを使用すべきです。

呼吸用保護具 用語

用  語 内容
  タイトフィット形 呼吸用保護具の一部(面体及びマウスピース)を着用者の顔面などと密着させることによって,外気の侵入を防ぐ形式の呼吸用保護具
  給気・濾過両用式呼吸用保護具(  きゅうき・ろかりょうようしきこきゅうようほごぐ) 給気式の機能と濾過式の機能とを合わせもつ呼吸用保護具。次の 2 種類がある。       ①本来は,給気式呼吸用保護具であるが給気が途絶えた際に濾過式呼吸用保護具としても使用できるもの。②本来は濾過式呼吸用保護具であるが,吸用保護具としても使用できるもの。濾過式としては使用限界を超えた際に,給気式呼吸用保護具としても使用できるもの。
 陰圧形(いんあつけい)呼吸用(こきゅうよう)保護(ほご)具(ぐ) 吸気中の全期間中,面体の内圧が陰圧になる呼吸用保護具。
 使い捨て式呼吸用保護具 保守を意図せず,通気抵抗の増大,吸収剤の消耗,部品の損傷又は使用時間の終了によって使用不能になったあと,廃棄するように設計されている呼吸用保護具。例として,使い捨て式防じんマスク及び避難用呼吸用保護具。
KO2形酸素発生缶 KO2形酸素発生缶    超酸化カリウムに呼気中の水蒸気を反応させて酸素を発生させる方式の酸素発生缶。
アイピース   面体等の構成部分で,着用者の視野を確保し,有害物質を通さない透明な部品。平板状のもの,湾曲したもの,立体的に成形したものなどがある。
エアラインマスク  送気マスクの一種で,圧縮空気管,空気圧縮機又は高圧空気容器からの圧縮空気を減圧弁などによって減圧し,中圧ホースを通じて着用者に送気する形式のマスク。一定流量形,デマンド形及びプレッシャデマンド形がある。
エアロゾル、エーロゾル 空気中に液体又は固体の粒子が分散した状態。 aerosol
クロレートキャンドル   塩素酸塩を主剤とする酸素発生剤を用いた酸素発生缶。
しめひも  面体等を着用者の顔面に取り付けるひも類の総称。
そく(塞)止弁 自給式呼吸器などに使用される高圧ガス容器に附属する開閉用の弁。
デマンド形エアラインマスク デマンド弁によって呼吸に必要な空気を供給するエアラインマスク。
デマンド弁    面体内が陰圧になったときに開いて空気,酸素又は呼吸可能なガスを供給し,それ以外のときは閉じている弁。この弁を用いたエアラインマスク及び自給式呼吸器をデマンド形という。
ノーズカップ  呼気が全面形面体内に拡散することを防ぐために鼻及び口辺を覆うもの。
ノーズクリップ     マウスピースと併用するもので鼻を挟み,鼻孔から吸気が入るのを止めるもの。
ハーネス  呼吸用保護具を着用するための装置で,背負具,腰ベルト,肩ベルトなどの総称。
バイパス弁   自給式呼吸器の部品で,通常の供給経路が故障したときに,呼吸に必要な空気,酸素又は呼吸可能なガスを故障経路を迂回して供給することができるように備えられた緊急用の手動弁。
ばく()露限界  ばく露される空気中の汚染物が人の健康に影響を及ぼさないと思われる最高許容濃度。時間荷重平均ばく露限界濃度,短時間ばく露限界濃度,天井値がある。
ヒューム  固体が気化した後,冷却されたときに凝縮によって生成する粒子が空気中に分散した状態。Fume
フィットチェック    呼吸用保護具を着用した際に,フィットネスが良好であることを確認するために着用者が行う定性的試験。
フィットテスト    フィットネスが良好であることを確認するための試験。定性的試験と定量的試験とがある。
フィットネス  面体と着用者の顔面との密着の度合。 fitness
フィルタ   吸気中又は送気中の有害物質(粒子又は気体)を捕集又は無毒化するもの。粒子状物質を捕集するものを指す場合が多い。
フード  面体等の一つで,少なくとも頭部及び,けい部を覆うルーズフィット形のもの。
フェイスシールド  面体等の一つで,顔全体を覆うルーズフィット形のもの。
プレッシャデマンド形エアラインマスク プレッシャデマンド弁によって,呼吸に必要な空気及び面体内を陽圧に保つための空気を供給するエアラインマスク。
プレッシャデマンド弁   面体内の圧力が,一定の陽圧を保つように作動する弁。 この弁を用いたエアラインマスク及び自給式呼吸器をプレッシャデマンド形という。
ホース    ホースマスクにおいて,常圧に近い圧力で空気を送るホース。
ホースマスク  送気マスクの一種で,作業環境空気外の呼吸に適した空気をホースを通じ,着用者に供給する形式のマスク。着用者自身の肺力で空気を吸引する肺力吸引形と送風機で空気を送る送風機形(電動及び、手動)とがある。
マ ウ ス ピ ー ス 形防毒マスク マウスピースに小形吸収缶及びノーズクリップを取り付けた構造の防毒マスクで,口だけで呼吸するもの。
マウスピース  面体等の一つで,つば(鍔)を唇と歯茎の間に挿入し,本体を歯で保持し,口で呼吸するタイトフィット形のもの。
ミスト  空気中に浮遊する液体粒子の総称。酸ミスト,オイルミスト,スプレーミストなどがある。Mist
ルーズフィット形 呼吸用保護具の部分のうち,着用者の顔面を覆うもの(フード及び、フェイスシールド)が,着用者の顔面などと密着しない形式の呼吸用保護具。これらを使用するときは,顔面とのすき間から有害物質が侵入しないようにするために,多量の空気を送り込む必要がある
圧縮空気管(あっしゅくくうきかん)     工場,鉱山などに配管されている圧縮空気を搬送する管。
圧縮空気形避難用呼吸器 避難用の空気呼吸器。
圧縮酸素形  循環式呼吸器 着用者の呼気中の二酸化炭素を清浄缶によって吸収し,高圧酸素容器から酸素を補給して,着用者に閉鎖循環式に給気する自給式呼吸器。陽圧形と陰圧形とがある。
安全弁  a)  高圧ガス容器の附属品で,容器内圧力が設定圧力以上になったとき自動的に容器内ガスを放出する弁。自動復帰する形式としない形式とがある。b)エアラインマスクの連結管部分の圧力が設定圧力以上になったときだけ空気を放出する弁。
一酸化炭素用自己救命器 鉱山などでの火災,爆発などの際に発生する 酸化炭素と煙の中から脱出するときに使用する避難用の濾過式呼吸用保護具。
一定流量形エアラインマスク 供給弁をもたず,流量調節装置によって調節された一定流量の空気を供給するエアラインマスク
陰圧 、負圧 面体,ホースなどの内部圧力が,環境空気の気圧より低いこと。 単位記号 Pa で表す。
陰陽圧形呼吸用保護具  吸気時の面体等の内圧が,吸気量が空気供給量より少ないときは陽圧であるが,空気供給量より多くなると陰圧になる呼吸用保護具。
  物質の燃焼,熱分解又は化学反応によって生成した空気中の固体・液体粒子及びガス状物質の総称。
汚染 対象として考えている物体又は物質に何らかの物質が付着,混入,発生することなどによって,そのものが本来もっている機能,性能などに好ましくない影響が与えられること又は与えられている状態。
汚染物質 、 コンタミ 汚染を引き起こす物質。 contaminant
開放式呼吸器 高圧容器から空気,酸素又は呼吸可能なガスを供給弁などを通して着用者に供給し,呼気は呼気弁から環境空気中に放出する方式の自給式呼吸器。
拡声器 面体等の着用者の音声を電気エネルギーを用いて大きくする装置。マイクロホン,増幅器,スピーカなどから成る。
隔離式防じんマスク 面体と  濾過材を収納した容器とを連結管で連結した構造の防じんマスク。
隔離式防毒マスク    面体と大形吸収缶とを連結管で連結した構造の防毒マスク。
吸気抵抗  呼吸用保護具を着用して吸気するときの通気抵抗。通常は,呼吸用保護具に,吸気が流れる向きに一定流量の空気を流したときの通気抵抗で表示する。単位記号 Pa で表す。
吸気弁    吸気するとき開き,呼気するとき閉じる弁。
吸収缶    防毒マスクの主要構成部分で,充てんした吸収剤などの薬剤によって通過する空気から対象とする有毒ガスを除去又は無毒化するもの。   防じん機能付き吸収缶もある。と同様に,液体粒子又は固体粒子で試験したとき
吸収剤    吸収缶に充てんし,通過する空気中から特定のガス及び蒸気を除去する薬剤。
給気ホース    空気呼吸器に使用する吸気管及び中圧ホースの総称。
給気式呼吸用保護具 着用者が環境空気とは別の空気,酸素又は呼吸可能なガスを呼吸する方式の呼吸用保護具。
供給弁   デマンド弁及びプレッシャデマンド弁の総称。
緊急時給気切換警報装置     エアラインマスク使用時に,何らかの理由によって空気圧縮機又は圧縮空気管からの給気が停止又は極端に少なくなった場合,自動的に空気源を高圧空気容器などに切り換えることによって,その圧縮空気を着用者に送気するとともに着用者及び周辺作業者に緊急事態の発生を警報する装置。
空気圧縮機    エアラインマスク用空気源の一種類。
空気呼吸器  開放式呼吸器のうち,高圧空気容器を使用しているもの。デマンド形及びプレッシャデマンド形がある。高圧空気容器  への最高充てん(填)圧力は,14.7 MPa 及び 29.4 MPa である。
空気調節袋    ある種の送気マスクに用いる構成部分で,呼吸による給気の不足を補う袋。
警報器  a)高圧空気,高圧酸素又は高圧の呼吸可能なガスを用いた自給式呼吸器の使用中に,高圧容器内の空気,酸素又は呼吸可能なガスの圧力が設定値以下に減少したときに着用者にそのことを警報する装置。b)呼吸用保護具使用中に危険が生じたことを知らせる装置。
減圧弁     高圧ガス容器から供給する高圧ガスを減圧して,出口圧力を一定に保つ弁。
個数基準中央径      粒子状物質の粒径に対する個数分布における中央径。個数基準中央径より小さい粒子の個数と個数基準中央径より大きい粒子の個数とが,共に総個数の半分となる。
呼気抵抗, 排気抵抗 呼吸用保護具を着用して呼気したときの通気抵抗。通常は,呼吸用保護具に,呼気が流れる向きに一定流量の空気を流したときの通気抵抗で表示する。防じんマスク及び防毒マスクでは,排気抵抗という。単位記号 Pa で表す。
呼気弁, 排気弁   呼気するとき開き,吸気するとき閉じる弁。防じんマスク及び防毒マスクでは,排気弁という。
呼吸袋    循環式酸素呼吸器の構成部分で,着用者の呼吸動作に応じて作動する袋。
呼吸抵抗  呼吸用保護具を着用して呼吸した場合の通気抵抗で,吸気抵抗と呼気抵抗の総称。単位記号 Pa で表す。

呼吸抵抗

呼吸抵抗ピーク値  呼吸用保護具を着用して呼吸したとき,又は呼吸用保護具に呼吸模擬装置を接続して作動させたときの呼吸抵抗は,下図のように似た波形を繰り返す。この場合,各波ごとのプラス側及びマイナス側の最高値をそれぞれ呼気(排気)抵抗ピーク値及び吸気抵抗ピーク値という。また,これらを総称して呼吸抵抗ピーク値という。  単位記号 Pa で表す。

呼吸模擬装置 、人工肺 人の呼吸量,呼吸回数などを模擬する装置。呼吸用保護具の性能を試験するのに用いる。
呼吸用保護具  人体に有害のおそれがある環境空気中で呼吸保護の目的で着用する個人用保護具の総称。
公称使用時間  製造業者が表示している呼吸用保護具又はその構成部分の使用可能時間。
高圧ガス容器 空気,酸素などのガスを圧縮充てんする容器。
最高許容透過濃度   吸収缶に試験ガス含有空気を通した場合,吸収缶を通過した空気中の試験ガスの濃度が破過と判定されない最高の濃度。
最高充てん圧力   温度 35  ℃において,高圧ガス容器に充てんできるガスの最高圧力。
酸素欠乏、酸欠 環境空気中の酸素濃度が,正常値より著しく低下した状態。鉱山保安法では 19 %未満,労働安全衛生法では 18 %未満である状態をいう。
酸素呼吸器  開放式酸素呼吸器及び循環式酸素呼吸器の総称。
酸素発生缶    酸素を発生する薬剤を充てんした缶。塩素酸ナトリウム(クロレートキャンドル)形と超酸化カリウム(KO2)形酸素発生缶とがある。
酸素発生形循環式呼吸器 循環式呼吸器のうち,酸素発生缶によって酸素を供給又は補給する方式のもの。化学薬品の反応によって酸素を連続的に発生させる方式(塩素酸ナトリウム形:C 形)及び,化学薬品に呼気を通して呼気中の水分と化学薬品の反応によって酸素を発生させる方式(超酸化カリウム形:K 形)がある。
酸素発生能力  酸素発生形循環式呼吸器における使用初期及び使用中に酸素を発生する能力。単位記号  l/min で表す。
使い捨て式防じんマスク 使い捨て式呼吸用保護具の一種で,防じんマスクとして使用するもの。
死積  面体を着用したとき面体(ノーズカップをもつ面体にあってはノーズカップ)と顔面又は試験用人頭との間に形成される空間の容積。単位記号 ml で表す。
視野  頭を動かさずに見える範囲。上下左右の角度で表す。
試験用コンタミナンツ 呼吸用保護具の全漏れ率,濾過材の粒子捕集効率,吸収缶の除毒能力などを測定するための粒子又はガス。粒子としては,フタル酸ジオクチル(DOP)粒子,塩化ナトリウム(NaCl)粒子などを,ガスとしては,シクロヘキサン,アンモニア,塩素などを用いる。
試験用人頭  面体の死積,視野,気密などの試験を行うとき用いる人頭模型。
試験用面型  マスクの吸気抵抗,呼気抵抗などを測定するとき用いる顔面の模型。必ずしも人の顔形を基準とはしていない。
自給式呼吸器,SCBA 着用者が呼吸によって消費する空気,酸素又は呼吸可能なガスの供給源を携行している形式の呼吸用保護具の総称。
自動排気弁    循環式呼吸器内の呼吸ガス圧力が高くなったとき自動的に開く弁。
質量基準中央径   粒子状物質の粒径に対する質量分布における中央径。質量基準中央径より小さい粒子の質量と,質量基準中央径より大きい粒子の質量とが,共に総質量の半分となる。
取替え式防じんマスク 部品がいたんだ場合は,その部品を交換することによって,更に使用を続けることのできる防じんマスク。
手動排気弁    循環式呼吸器内の呼吸ガス圧力が高くなり着用者の呼吸を圧迫するときに,手動で開く弁。
終了インディケーター 使用者に呼吸保護作用の終了が近づいたことを示すもの。
循環式呼吸器  着用者の呼気中の二酸化炭素を除去し,酸素源から酸素を補給し,再呼吸する方式の自給式呼吸器。圧縮酸素形と酸素発生形とがある。それぞれ呼気と吸気とが分かれるものと,一つの経路のものとがある。
初期酸素補給装置  酸素発生形循環式呼吸器及び自己救命器の作動初期に,一回の呼吸に必要な量の酸素を短時間内に供給する装置又はその機能をもつもの。  薬剤の化学反応で酸素を発生させるものと,圧縮酸素を減圧して補給するものとがある。
除毒能力  吸収缶が,缶内を通過する空気中の有毒ガスを無毒化する能力。一定濃度の有毒ガスを通過させた場合の破過時間で表す。
蒸気  常温,常圧の下で液体又は固体で安定している物質が気化し,気体状態で存在するもの。vapor
水滴だめ  循環式呼吸器内の凝縮水をためるもの。
清浄缶    循環式呼吸器の構成部分で,呼気中の二酸化炭素を除去する薬剤を充てんした缶。
接顔体  面体の構成部分で,着用者の顔面に密接させるもの。面体から,アイピース,排気弁,吸気弁,しめひも,連結管などを除いたもの。
接顔部  着用者の顔に接する接顔体の部分。
繊維状粉じん  石綿,木綿,合成繊維,ガラス繊維など繊維状の粉塵。
船舶用非常脱出用呼吸器 船舶機関室などに設置し,非常時に脱出するための自給式呼吸器で,その使用時間が 10 分以上であるもの。一定流量式、開放式及び循環式がある。
全面形面体      眼,鼻及び口辺を覆う面体。アイピースが 1 個のものを 1 眼式,2 個のものを 2 眼式という。
全漏れ率  呼吸用保護具を着用した際,環境空気又は環境中の有害物質が,吸気中にどれだけ漏入したかを示す率。次の式によって表す。

全漏れ率

送気マスク  給気源からの清浄な空気をホース又は中圧ホース及び面体等を通じ,着用者に供給する方式の呼吸用保護具。
送風機式ホースマスク 送風機によって作業環境から離れた場所の呼吸に適した空気をホースを通じて着用者に供給する方式のホースマスク。電動式と手動式とがある。
短時間ばく(曝)露で生命・健康に危険がある環境空気  生命と健康に直ちに危険を及ぼす環境空気の状態。
中圧ホース      98∼980 kPa の圧力で空気又は酸素を供給する耐圧ホース。
直結式小形防毒マスク 面体に小形吸収缶を取り付けた構造の防毒マスク。
直結式防じんマスク 面体に  濾過材を直接連結した構造の取替え式防じんマスク。
直結式防毒マスク    面体に中形吸収缶を直接取り付けた構造の防毒マスク。
通気抵抗  排気弁,吸気弁,フィルタ,吸収缶,管などを空気が通過する際の抵抗値。一般に流量を定めて圧力差で表示する。  単位記号 Pa で表す。
定量弁    給気式呼吸用保護具の着用者に,一定流量の空気,酸素又は呼吸可能なガスを供給するための調節用弁。 この弁だけを用いたエアラインマスク及び自給式呼吸器をそれぞれ一定流量形及び定量補給形という。
伝声器 、伝声板 面体等の着用者の音声を伝声板によって外部に伝える装置。
電 動 フ ァ ン 付 き呼吸用保護具,PAPR 電動ファン,フィルタ,面体等で構成されており,環境空気中の有害物質を除去した空気を着用者へ供給する呼吸用保護具。面体等の内部が常に陽圧になるように設計された標準形は,高い防護性能が得られる。呼吸補助形は,電動ファンの空気供給量が少ないために標準形より防護性能は劣るが,防じんマスク又は防毒マスクよりは防護性能が高く,呼吸も楽である。
動力なし  濾過(ろか)式 呼吸用保護具 電動ファンをもたない濾過式呼吸用保護具。防じんマスク及び防毒マスクの総称。
動力付き  濾過(ろか)式   呼吸用保護具 電動ファンをもつ濾過式呼吸用保護具で,電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)という。標準形 PAPR と呼吸補助形 PAPR とがある。
破過  防毒マスクの吸収缶に有毒ガスを通気した際,透過側から最高許容透過濃度を超える有毒ガスが漏出する現象。
破過曲線図  有毒ガス濃度と吸収缶の破過時間との関係を表した曲線。これを用いて,吸収缶の廃棄時期を推定することができる。吸収缶には,これを記載した破過曲線図が添付されている。
破過時間  防毒マスクの吸収缶に,一定濃度の有毒ガスを連続して通気した際,通気の開始から破過までの時間。
肺力吸引形ホースマスク ホースの末端を,作業環境から離れた場所に固定し,その場所の呼吸に適した空気をホース,連結管,面体等を通じて着用者の自己肺力によって吸気する構造のホースマスク。
半開放式呼吸器  高圧容器から空気,酸素又は呼吸可能なガスを供給弁などを通して着用者に供給し,呼気の一部は呼気弁から環境空気中に放出し,一部を浄化しないで再び吸気として利用する方式の自給式呼吸器。デマンド形と定量補給形とがある。
半閉鎖循環式呼吸器 高気圧下で使用することを目的とした自給式呼吸器で,吸気中の酸素分圧を適切な範囲内に調整するために,酸素の代わりに酸素と不活性ガス(例えば、窒素)との混合ガスを一定量連続して補給し,かつ,器内の空気の一部を器外へ排出し,残りの一部を再呼吸に用いる構造のもの。
半面形面体  鼻及び,口辺を覆う形式の面体。参考  米国などでは,あごまで覆う形のものをハーフマスク(half mask),あごに掛からな い も の を ク ォ ー タ マ ス ク (quartermask)として区別している。
避難用呼吸用保護具 火災,爆発,有害ガスなどの危険な場所から避難脱出するときに用いる呼吸用保護具。ろ過式と自給式とに大別する。
複合式エアラインマスク 通常はエアラインマスクとして使用し,避難脱出などに際しては小形高圧容器に切り替えて,空気呼吸器として使用できる形式のもの。
粉塵(ふんじん) 固体がその化学的組成が変わらないまま物理的な過程で粉砕され、空気中に浮遊した状態。
閉鎖空間 出入口が限られた,換気が不良な閉じられた空間。
閉鎖循環式  酸素自己救命器 避難用の循環式呼吸器。圧縮酸素を減圧して補給する方式(P 形)、化学薬品(塩素酸ナトリウム)を反応させて酸素を連続的に発生させる方式(C形)及び化学薬品(超酸化カリウム)に呼気を通して呼気中の水分との反応によって酸素を発生させ補給する方式(K形)がある。
放射性核種  自発的に素粒子,γ線又はX線を放射する原子核の種類。Radionuclide
防じんマスク  肺力によって吸引した環境空気中の粉じん,ヒューム,ミストなどの粒子状物質を  ろ過材によって除去する呼吸用保護具。取替え式と使い捨て式とがある。液体粒子又は固体粒子で試験したときの性能によって,それぞれ3種類(捕集効率 80 %以上、95%以上及び 99.9 %以上)に区分される。取替え式は,直結式と隔離式とに分けられる。
防じん機能付き   吸収缶   粒子状物質用フィルタを取り付けた吸収缶。粒子状物質用フィルタは,吸収缶に内蔵されているものと外付け式のものとがある。  粒子状物質用フィルタの性能は,防じんマスクの捕集効率によって,それぞれ3種類に区分される。
防護係数  呼吸用保護具の防護性能を表す係数。

防護係数

防護率  呼吸用保護具を使用することによって,有害物質又は環境空気が,吸気中に侵入することをどの程度防ぐことができるかを示す率。次の式によって表す。

防護率

防毒マスク  肺力によって吸収缶を通して吸引した環境空気中の有毒ガスなどを吸収缶によって除去する呼吸用保護具。直結式小形,直結式及び隔離式の 3 種類がある。防じんマスクと同等の防じん機能をもつものもある。
面体  着用者の顔面との気密を保つための呼吸用保護具の構成部分。全面形面体と半面形面体とがある。着用者の呼吸器官を含む顔面を気密性を保って覆うための呼吸用保護具の構成部分で,その構成要素として連結管(隔離式だけ),吸気弁(含まない場合もある),ノーズカップ(全面形面体だけ),アイピース(全面形面体だけ)及び排気弁を含み,更に附属的な機能として伝声板,ホイッスルなどを含む場合もある。なお,防じんマスク及び防毒マスクの面体にあっては,吸気弁,排気弁,しめひも,連結管(隔離式だけ)は含まないが,アイピースは全面形面体の構成部分とみなしている。
面体(めんてい)等(とう)      面体,フェイスシールド,フード及び,マウスピースの総称で,主として呼吸保護の目的で顔面に付けるもの。
目詰まり  フィルタに粒子状物質がたい積し,吸気抵抗が上昇した状態。
有害(ゆうがい)物質(ぶっしつ) 生命及び健康にとって有害となる物質。次のように分類される。a)少量で有害となる毒物・劇物。b)多量に存在すると有害となる窒息性ガス(窒素,メタン,二酸化炭素など)及び低毒性であるが長期間ばく(曝)露によって障害を及ぼす粉じん・蒸気・ガスなど。
有毒ガス  少量で人体に有害なガス,蒸気の総称(例えば、塩素,シアン化水素など)toxic gas
陽圧、 正圧 面体,ホースなどの内部圧力が,環境空気の気圧より高いこと。単位記号 Pa で表す。
陽圧形呼吸用保護具(ぐ) 呼吸の全期間中,面体等の内圧が陽圧となる呼吸用保護具。
陽圧排気弁    面体の内部が所定の圧力に達した時に開く弁。主としてプレッシャデマンド形の呼吸用保護具に用いる。
流量調節装置 、流量調節器   送気マスクにおいて,着用者が送気量を調節するための装置。
粒子状物質 粉じん,ヒューム及びミストの総称。 particulate
粒子捕集効率  粒子含有空気を防じんマスク又はろ過材に通過させたときの粒子捕集率。次の式によって求める。

粒子捕集効率

連結管(れんけつくだ)    面体等と吸収缶,流量調節装置,電動ファン,供給弁などを結ぶ可とう(撓)性の管。SCBA については吸気管及び呼気管と呼んでいる。
漏えい(ろうえい)(洩(もれる))曲線(きょくせん)  防毒マスクの吸収缶に,一定濃度の有毒ガスを通気した際,透過側のガス濃度の時間的変化を表したグラフ。
濾(ろ)煙(けむり)能力 フィルタなどによって煙中の粒子状物質を除去する能力。木材のくん焼煙又は発泡スチロール着炎煙を用いる試験例がある。
濾過(ろか)材    防じんマスクの主要構成部分で,吸気中の粒子状物質を捕集するもの。
濾過(ろか)式呼吸用保護具 環境空気中の有害物質を吸収缶又は濾過材によって除去する方式の呼吸用保護具。
濾(ろ)塵(ちり)層(そう) (ぶんそう)   吸収剤の微粉末を 濾過するために,吸収缶内に組み込まれた粒子状物質用フィルタ。

参考文献:

・保護具ハンドブック 社団法人 日本保安用品協会編

・知っておきたい保護具のはなし 田中 茂 著

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