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初めての保護メガネ(眼の保護具)の正しい選び方、使い方 【図解】

眼の保護具(保護メガネ等)の正しい選び方、使い方 【図解】 安全衛生保護具

初心者、女性向けの粉塵対策としての保護メガネの入門ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。

・保護メガネの付け方、選び方

・保護メガネの種類

・保護メガネの着用基準、安全基準

・保護メガネの保管、手入れ

・保護メガネのおすすめネット通販商品

 

保護メガネ(眼の保護具)とは?

加工時の切削屑等の飛来、溶鉱炉等高熱物の飛散、金属の溶接・溶断作業における強烈な光線、有害な光線、粉塵など目を刺激する物質、レーザー光、飛散粒子、ミストなどから目を守る為の保護具です。

保護メガネ、保護眼鏡、防塵ゴーグルの違い

保護メガネ・保護眼鏡

  • 定義: 衝撃や飛来物から目を守るための道具の総称です。
  • 形状: 様々な形状がありますが、一般的なメガネ型が多いです。
  • 用途: 比較的軽作業での目の保護に適しています。

防塵メガネ、防塵ゴーグル

  • 定義: 粉塵や埃から目を守ることに特化した保護具です。
  • 形状: 目の周りを密閉する形状で、顔にフィットするようになっています。
  • 用途: 粉塵作業や埃っぽい場所での作業に適しています。

違い

  • 保護範囲: 防塵ゴーグルは目の周りを密閉するため、粉塵の侵入を防ぐ効果が高いです。保護メガネは、衝撃や飛来物から目を守ることを主な目的としています。
  • 用途: 保護メガネは比較的軽作業に、防塵ゴーグルは粉塵作業や埃っぽい場所での作業に適しています。

保護メガネ、防塵眼鏡の英語、中国語の表記

保護メガネ、防塵眼鏡は英語、中国語での表記は以下のようになります。

英語

  • 保護メガネ: safety glasses, protective eyewear
  • 防塵眼鏡: dust goggles, safety goggles (dust)

中国語

  • 保護メガネ: 护目镜 (hù mù jìng)
  • 防塵眼鏡: 防尘眼镜 (fáng chén yǎn jìng)

 

各種類毎の保護メガネの詳細は該当、記事を参照して下さい。

 

遮光用保護メガネ 粉塵用保護メガネ レーザー用保護メガネ フェイスシールド
遮光用メガネ 溶接作業 保護メガネ レーザー用保護眼鏡 フェィスシールド

 

保護メガネの歴史

保護メガネの歴史は古く、その起源は紀元前にまで遡ります。

古代

  • 紀元1世紀頃、古代ローマの皇帝ネロが、エメラルドのレンズを通して剣闘士の戦いを観戦していたという記録があります。これは、眩しい光線から目を守るためだったと考えられています。
  • エスキモーの人々は、雪目を防ぐために、カリブーの角や流木などから遮光器(雪用ゴーグル)を作っていました。細長いスリットから光を取り入れ、紫外線を減らす工夫がされていました。

中世

  • 中世ヨーロッパでは、ガラス製造技術が発達し、ガラス製のメガネが登場しました。しかし、これらは視力矯正用であり、目を保護する目的ではありませんでした。

近代

  • 19世紀後半、産業革命が進むにつれて、工場や鉱山での労働災害が増加しました。特に、粉塵や飛来物による目の負傷が深刻化し、労働者の目を保護するための保護メガネが必要とされるようになりました。
  • 当初は、金属製のフレームにガラスレンズを入れたものが主流でしたが、次第に素材や形状が改良され、より安全で快適な保護メガネが開発されるようになりました。

現代

  • 20世紀に入ると、プラスチック素材や特殊コーティングを施したレンズが登場し、保護メガネの性能は飛躍的に向上しました。
  • 現在では、様々な作業環境や用途に対応した多種多様な保護メガネが存在します。
  • 紫外線カット、防曇、耐衝撃性など、様々な機能を持つ保護メガネが開発されています。
  • 近年では、AIやAR(拡張現実)などの技術を搭載した高機能な保護メガネも登場しています。

日本の保護メガネの歴史

  • 日本では、昭和初期から終戦時(1925年頃~1945年頃)にかけて、満州国での黄砂対策として、セルロイドの枠にガラスレンズを入れた防じんメガネが多く使われました。
  • 戦後、産業復興とともに保護メガネの需要が増加し、様々な種類の保護メガネが開発されました。
  • 1952年には「遮光保護具」JIS B9902が初めて制定され、保護メガネの規格化が進められました。

保護メガネは、その歴史を通じて、常に労働者の安全を守るために進化してきました。現代では、様々な技術革新により、より高性能で快適な保護メガネが開発されています。

 

保護メガネの変遷

西暦 保護メガネの進歩
1945年 戦後産業の復興に伴い、遮光めがねや保護めがねの需要が増える。
1952年 「遮光保護具」JISB9902が初めて制定される。
1955年 強化ガラスレンズを入れた保護めがねが発売される。
1965年 硬質プラスチックCR三九レンズを入れた保護めがねが発売される。
1970年 JIS改編に伴い、「遮光保護具」JIST8141が制定される。
1971年 「強化ガラスレンズ人り保護めがね」JIST8146が制定される。
1971年 曇り止めレンズ入りゴグルが発売される。
1972年  「硬質プラスチック入り保護めがね」JIST8147が制定される。
1976年 ポリカーボネート樹脂にハードコーティングを施したレンズ人り保護
めがねが発売される。
1981年 プラスチック製JIS遮光レンズが発売される。
1985年 国産初レーザ光用遮光メガネが発売される。
1989年 「産業用ゴーグル形保護めがね」JIST8148が制定される。
1994年  「レーザ保護フィルタ及びレーザ保護めがね」JIST8143が
制定される。
       ※JIST8146、8147、8148はその後改定により統
合され、保護めがねJIST8147として制定された。

 

保護メガネ(眼の保護具) 使用環境・条件

眼保護具には遮光保護具,保護めがね,レーザー用保護めがねがあり,顔面保護具(防護面)には溶接用保護面,防災面,防熱面があります、作業環境,作業内容に合った保護具を使用しましょう。

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表1 眼・顔面保護具の使用環境・条件

使用環境・条件
眼保護具 遮 光 保 護 めがね 眼に対して有害な紫外放射,強烈な可視線,赤外放射(以下 「有害光線」といいます。)が生ずる作業および場所。 遮光用メガネ 溶接作業
保 護 め が ね 浮遊粉じん,薬液飛沫,飛来物などが発生または発生するおそれがある作業および場所。 粉塵 メガネ イラスト
レーザー用保護めがね レーザー放射の拡散反射する場所および直接のレーザー放射露光を受けるおそれがある作業および場所。 レーザー保護メガネ

保護メガネ(眼の保護具)の使用方法・使用上の注意点

使用前に,製品に添付されている取扱説明書などを必ず読み,理解した上で使用して下さい。

保護メガネ(眼の保護具)の使用前の点検

① レンズまたはアイピースを洗っても落ちない汚れ・傷・き裂・割れ・変形などの異常がないか。異常力があればレンズまたはアイピースを交換する。交換する際はフレームとのガタツキなどを防ぐために,必ず同一品番のレンズまたはアイピースを使用して下さい。

 

② フレームを洗っても落ちない汚れ・傷・き裂・割れ・変形などの異常がないか異常があれば交換時期です。たとえレンズまたはアイピースに異常がなくてもそっくり新品と交換して下さい。

③ フレームとレンズまたはアイピースにガタツキはないか。ガタツキがあり,次の方法でも直らない場合はそっくり新品と交換して下さい。スペクタクル形のメタルフレームでガタツキがある場合は,枠のビスなどの緩みを点検し,市販の調整ドライバーなどで適度に締め付けて下さい。ゴグル形またはスペクタクル形のプラスチックフレームでガタツキがある場合は,アイピースまたはレンズがはずれかかっているので,フレームに固定するようセットし直して下さい。

保護メガネ(眼の保護具)の使用上の注意

① 眼保護具は個人用です。複数の人が共用しないで下さい。複数の人が共用すると,フィット性などで違和感が生じて事故を誘発する原因になるだけでなく,伝染性眼疾患の感染など衛生上からも問題があります。

② 使用後の眼保護具は流水洗浄で,フレームとレンズまたはアイピースに付着したほこり・汚れを取って下さい。レンズまたはアイピースの洗浄は指の腹を使い,堅いブラシ類などの使用は避けましょう。洗浄後の水分は柔らかい布などで拭き取ります。ただし,曇り止め加工し
たレンズ・アイピースの場合は白然乾燥しなければならないものもありますから,使用後の洗浄に際してはその製品に添付されている取扱説明書に従って下さい。

 

メガネ洗浄方法

保護メガネ(眼の保護具)の保守・管理

保守・管理にあたっては製品に添付されている取扱説明書などを読み,眼保護具を正しく保管して下さい。

保護メガネ(眼の保護具)の保管方法

① めがね・ゴグルを置く場合は,レンズ・アイピース面を下にして置かないで下さい。汚れや傷の原因となり,交換時期を早めます。

メガネの置き方

保護メガネ(眼の保護具)の置き方

② レンズ・アイピース面を直接他のものに接触させないよう,柔らかい袋やケースなどに入れて下さい。

メガネの収納

保護めがねの収納

 

保護メガネ(眼の保護具)の消毒方法

眼病予防のため,時には消毒用アルコール等で眼保護具を拭いて下さい。
レンズ・アイピースによっては白濁等の外観異常が発生するおそれがありますので,消毒の際は製品に添付されている取扱説明書などに従って下さい。

 

保護メガネ(眼の保護具)の交換

次の場合は早急に交換して下さい。

 レンズ・アイピースの交換時期

・レンズまたはアイピースを洗っても落ちない汚れ・傷・き裂・割れ・変形などの異常がある場合・強い衝撃を受けた後のレンズまたはアイピース・その他,購人時には見られなかった違和感を感じた場合

保護メガネ(眼の保護具)の交換時期

・フレームを洗っても落ちない汚れ・傷・き裂・割れ・変形などの異常がある場合、レンズまたはアイピースに異常がなくてもそっくり新品と交換して下さい。レンズまたはアイピースにも目に見えないクラックなどの危険性が潜んでいる可能性が大きいからです。
・フレームとレンズまたはアイピースを組立て直しても直らないガタツキが生じた場合
・その他,購入時には見られなかった違和感を感じた場合

*保護具については下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。

1.保護具ハンドブック 社団法人 日本保安用品協会編

2.知っておきたい保護具のはなし 田中 茂 著

3.あなたを守る安全健康保護具ガイド 田中 茂 (著)

4.イラストで分かりやすい 安全衛生保護具の基礎知識

イラストで分かりやすい 安全衛生保護具の基礎知識

イラストで分かりやすい 安全衛生保護具の基礎知識

 

*最後にその他の安全保護具については下記を参照にしてください。

 

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