騒音対策
騒音(そうおん、noise pollution)とは、騒がしくて不快と感じる音のことである。
騒音対策としては耳栓等の騒音対策グッツがある。
騒音の大きさは、周波数特性を踏まえ音圧レベルを補正した騒音計を用いる。
騒音レベルの単位はデシベル (dB)。かつては単位に「ホン」も用いられていたが、日本では計量法により1997年9月30日に廃止された。
騒音対策
1 ガイドライン
騒音は、騒音性難聴の原因となることから、労働省(当時)では、各事業場において実施すべき騒音障害防止対策を体系化し、騒音障害に従事する労働者の健康障害防止を推進するとともに、事業主へ騒音レベルの低減化を促すため、「騒音障害防止のためのガイドライン(平成4年10月1日付 基発第546号)」を策定しました。
2 作業環境測定
労働安全衛生規則第588条では、「著しい騒音を発する屋内作業場」として8項目が挙げられ、同規則第590条において「六月以内ごとに一回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない」と定められています。
また、同規則に列挙された項目に加え、「騒音障害防止のためのガイドライン」では52項目の作業場が、各種の測定結果から「等価騒音レベルで85db(A測定※1)以上になる可能性が大きい作業場」とされ、これらの作業場では、作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)に基づく等価騒音レベル測定(A測定及びB測定※2)を6月以内ごとに1回(但し、施設、設備、作業工程又は作業方法を変更した場合はその都度)、1測定点につき10分間行うことが求められています。
作業環境測定結果の評価は、A測定結果及びB測定結果(実施した場合)に基づいて行い、作業場を、第Ⅰ管理区分から第Ⅲ管理区分までの3つの区分に分類します。
- ※1作業場を縦、横6m以下の等間隔で引いた交点を測定点とし、床上1.2mから1.5mの間で測定
- ※2発生源に近接して作業が行われる場合、その位置にて測定
3 管理区分に応じた騒音対策
騒音防止対策は、大別すると①音源対策、②伝搬経路に対する対策、③作業者側の対策の3つがあります。ガイドラインでは、管理区分に応じ、これらの対策を単独、若しくは組合せ、効果的な対策を講じることが求められています。
【管理区分Ⅰ】
- 作業環境の継続的維持に努めること。
【管理区分Ⅱ】
- 場所を標識により明示すること。
- 作業方法の改善等により管理区分Ⅰとなるよう努めること。
- 必要に応じ保護具を使用すること。
【管理区分Ⅲ】
- 場所を標識により明示し、及び保護具使用の掲示を行うこと。
- 作業方法の改善等により管理区分Ⅰ又は管理区分Ⅱとなるようにすること。
- 保護具を使用すること。
4 代表的な騒音対策
「騒音障害防止のためのガイドライン」では、施設、設備、作業工程等における騒音発生源対策及び伝ぱ経路対策並びに騒音作業従事者に対する受音者対策の代表的な方法は、以下の通りとされています。
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分類 | 方法 | 具体例 |
---|---|---|
1.騒音発生源対策 | 発生源の低騒音化 | 低騒音型機械の採用 |
発生原因の除去 | 給油、不釣合調整、部品交換など | |
遮音 | 防音カバー、ラギング | |
消音 | 消音器、吸音ダクト | |
防振 | 防振ゴムの取り付け | |
制振 | 防振材の装着 | |
能動制御 | 消音器、吸音ダクト、遮音壁など | |
運転方法の改善 | 自動化、配置の変更など | |
2.伝ぱ経路対策 | 距離減衰 | 配置の変更など |
遮蔽効果 | 遮蔽物、防音壁、防音室 | |
吸音 | 建物内部の消音処理 | |
指向性 | 音源の向きを変える | |
能動制御 | 消音器、吸音ダクト、遮音壁など | |
3.受音者対策 | 遮音 | 防音監視室、囲い |
作業方法の改善 | 作業スケジュールの調整、遠隔操作など | |
耳の保護 | 耳栓、イヤーマフ | |
能動制御 | 消音ヘッドホン |
5 リスク低減措置
「危険性又は有害性等の調査等に関する指針(平成18年3月10日 指針公示第1号)」では、リスク低減措置を実施する際には、以下の優先順位で行うこととしており、騒音対策でも同様の考え方で対策を行うことが必要です。
- (1)危険な作業の廃止・変更等、設計や計画の段階から労働者の就業に係る危険性又は有害性を除去又は低減する措置
- 一旦設置した機器の騒音対策は、費用面、作業効率面から問題も多く、設計段階から低騒音の機器の導入を図ったり、騒音発生源を作業者から隔離できるようなレイアウトを考えるなど、当初から騒音を考えた対策を行うことが重要です。
- (2)インターロック、局所排気装置等の設置等の光学的対策
- (3)マニュアルの整備等の管理対策
- (4)個人用保護具の使用
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