失敗しない! レーザー用保護メガネの正しい選び方、使い方【図解】
初心者、女性向けのレーザー用保護メガネとしての入門ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。
・レーザー用保護メガネの付け方、選び方
・レーザー用保護メガネの種類
・レーザー用保護メガネの波長
・レーザー用保護メガネの保管、手入れ
・レーザー用保護メガネのおすすめネット通販商品
併せてのレーザー用保護メガネのアクセサリーについても掲載しました。
ご参考になれば幸いです。(^_^;)
レーザー用保護めがねとは?|レーザー用眼鏡
レーザー用保護めがねは、レーザー光から目を保護するための専用メガネです。レーザー光は、種類や出力によっては目に重大な損傷を与える可能性があるため、レーザーを使用する際には適切な保護めがねの着用が不可欠です。
レーザー用保護めがねはJIS T 8143では波長 180nm から 1mm までのレーザ放射に対して,作業者の目を保護するために使用するレーザ保護フィルタ(以下,保護フィルタという。)及びレーザ保護めがね(以下,保護めがねという。)と規定している。
レーザーは目にとても危険です。
使用時に必ず保護メガネをかけてください。
直接見てしまうのは厳禁ですが、何らかの予期しない物体に当たっての反射光でさえ重大なダメージを自分で受けてしまったり、相手に与えてしまう危険性があります。
レーザー用保護めがね(またはレーザー保護フィルタ)は直接のレーザー放射露光を防ぐものではありません。直接のビーム内観察には使用しないで下さい。
② レーザー用保護めがねは散乱光に対して使うことを目的としています。紫外や赤外波長のレーザーは目に見えません。散乱光も見えませんので注意が必要です。
レーザー用保護めがねは、英語と中国語では以下の様に表現されます。
英語:
- Laser safety glasses
- Laser protective eyewear
- Laser goggles
中国語:
- 激光防护眼镜 (jī guāng fáng hù yǎn jìng)
- 激光安全眼镜 (jī guāng ān quán yǎn jìng)
これらの用語は、レーザー光から目を保護するための特殊なメガネを指します。
レーザー用保護メガネの原理
レーザー用保護メガネは、特定の波長のレーザー光から目を保護するために、以下の原理に基づいています。
1. 特定波長の遮断:
- レーザー光は単一の波長を持つため、保護メガネは使用するレーザーの波長に合わせて設計されています。
- レンズには、特定の波長のレーザー光を吸収または反射する特殊な素材やコーティングが使用されています。
- これにより、特定の波長のレーザー光のみが遮断され、その他の光は透過するため、作業に必要な視認性を確保できます。
2. 光学濃度(OD値)による減衰:
- 光学濃度(OD値)は、レーザー光をどの程度遮断できるかを示す指標です。
- OD値が高いほど、より強力なレーザー光を遮断できます。
- レンズの素材やコーティングによって、特定の波長に対するOD値が調整されています。
- これにより、レーザー光のエネルギーを安全なレベルまで減衰させ、目を保護します。
3. 吸収と反射:
- レーザー保護メガネのレンズは、レーザー光を吸収または反射することで遮断します。
- 吸収型:レンズ素材自体がレーザー光を吸収し、熱エネルギーに変換します。
- 反射型:レンズ表面の特殊なコーティングがレーザー光を反射させます。
- どちらのタイプも、レーザー光が目に到達するのを防ぎます。
4. フィルターの役割:
- レーザー保護メガネのレンズは、特定の波長のみを遮断するフィルターとして機能します。
- このフィルターは、レーザー光の波長に合わせて精密に設計されており、不要な光のみを効率的に遮断します。
重要なポイント:
- レーザー保護メガネは、使用するレーザーの種類と波長に合わせて選択する必要があります。
- 適切なOD値の保護メガネを使用することで、レーザー光のエネルギーを安全なレベルまで減衰させることができます。
- レンズの素材やコーティングによって、保護性能や視認性が異なります。
これらの原理に基づき、レーザー保護メガネはレーザー光から目を保護し、安全な作業環境を提供します。
日本産業規格 レーザー用保護メガネ JIS T 8143
日本産業規格(JIS)によって、レーザー用保護メガネの性能や試験方法などが定められています。この規格に適合した製品には、JISマークが表示されています。
詳細は下記のサイトを参考にして下さい。
JIST8143:1994 レーザ保護フィルタ及びレーザ保護めがね
レーザー用保護メガネ 種類・形式
レーザー用保護めがねは図1のような形状があり,表1に示す形式 がJIS T 8143 に規定されています。
レーザー用保護めがねの形状 図1(一例)
表1 保護フィルタ及び保護めがねの種類,形式及び記号
種類 | 形式 | 記号 | |
保護フィルタ | – | – | LF |
保護めがね | ゴグル形 | – | LG |
スペクタクル形 | サイドシールドなし | LS | |
サイドシールド付き | LSS | ||
フロント形 | サイドシールドなし | LC | |
サイドシールド付き | LCS |
レーザー用保護メガネ 主な性能
レーザー用保護メガネの主な性能は、レーザー光から目を保護するために、特定の波長のレーザー光を遮断する能力と、その遮断性能を示す光学濃度(OD値)です。その他にも、快適性や耐久性、視認性などが重要な性能として挙げられます。
-
遮光性(特定の波長に対する保護):
- レーザー光は特定の波長を持つため、保護メガネは使用するレーザーの波長に合わせて選択する必要があります。
- 適切な保護メガネは、特定の波長のレーザー光を遮断し、目を保護します。
-
光学濃度(OD値):
- 光学濃度は、レーザー光をどの程度遮断できるかを示す指標です。
- OD値が高いほど、より強力なレーザー光を遮断できます。
- 使用するレーザーの出力に応じて、適切なOD値の保護メガネを選択する必要があります。
-
視認性:
- 安全性を確保しながら、作業に必要な視認性を確保するために、保護メガネのレンズは特定の波長の光のみを遮断し、その他の光は透過するように設計されています。
-
快適性とフィット感:
- 長時間の作業でも快適に着用できる、軽量でフィット感の良い保護メガネを選択することが重要です。
-
耐久性:
- レーザー光から目を保護するために、保護メガネは高品質の素材で作られており、耐久性があります。
-
安全規格:
- JISなどの安全規格に適合した製品を選ぶようにしましょう。
その他考慮すべき点
- フレームの形状:
- 顔の形状に合ったフレームを選択することで、より高い保護効果と快適性を得られます。
- 側方からのレーザー光も遮断できるような、視野を広く覆うフレームも存在します。
- レンズの素材:
- レンズの素材によって、耐久性や視認性が異なります。
- ガラスレンズは耐久性に優れますが、衝撃に弱い場合があります。
- ポリカーボネートレンズは衝撃に強く、軽量ですが、傷がつきやすい場合があります。
- コーティング:
- レンズのコーティングによって、反射防止や曇り止めなどの機能が追加される場合があります。
レーザー保護メガネの選び方
レーザー保護メガネを選ぶ際には、以下の点を考慮することが重要です。
1. レーザーの種類と波長:
- 使用するレーザーの種類と波長を正確に把握することが最も重要です。
- レーザー保護メガネは、特定の波長のレーザー光を遮断するように設計されています。
- 異なる波長のレーザーを使用する場合は、それぞれの波長に対応した保護メガネが必要です。
- 同じレーザー光の名前でも波長が違う場合があるので、必ず波長を確認してください。
2. 光学濃度(OD値):
- 光学濃度(OD値)は、レーザー光をどの程度遮断できるかを示す指標です。
- OD値が高いほど、より強力なレーザー光を遮断できます。
- 使用するレーザーの出力に応じて、適切なOD値の保護メガネを選択する必要があります。
- 保護メガネ透過後のレーザー出力が、1 mW以下になるように、OD(Optical Density)値を選ぶと良いでしょう。
3. 視認性:
- 安全性を確保しながら、作業に必要な視認性を確保するために、保護メガネのレンズは特定の波長の光のみを遮断し、その他の光は透過するように設計されています。
- 可視光線透過率が高いレンズを選ぶと、作業性が向上します。
4. 快適性とフィット感:
- 長時間の作業でも快適に着用できる、軽量でフィット感の良い保護メガネを選択することが重要です。
- 顔の形状に合ったフレームを選択することで、より高い保護効果と快適性を得られます。
- 側方からのレーザー光も遮断できるような、視野を広く覆うフレームも存在します。
5. 耐久性:
- レーザー光から目を保護するために、保護メガネは高品質の素材で作られており、耐久性があるものを選びましょう。
- レンズの素材によって、耐久性や視認性が異なります。
- ガラスレンズは耐久性に優れますが、衝撃に弱い場合があります。
- ポリカーボネートレンズは衝撃に強く、軽量ですが、傷がつきやすい場合があります。
6. 安全規格:
- JISなどの安全規格に適合した製品を選ぶようにしましょう。
7. その他:
- レンズのコーティングによって、反射防止や曇り止めなどの機能が追加される場合があります。
- 複数の波長を使用する場合は、対応する複数のゴーグルが必要です。
選ぶ際の注意点:
- レーザー保護メガネはレーザーの散乱光をレンズで吸収して目を保護するためのものです。
- 適応する波長以外のレーザー光には絶対に使用しないでください。
- レーザー保護メガネ着用時もレーザー光を直接のぞきこまないでください。
- レーザー保護メガネを溶接用として使用しないでください。
- ご使用のレーザの種類・発振波長・出力を確認の上、波長にあったレンズ・フィルタをお選びください。 同じレーザ光の名前でも波長が違う場合があります。またレーザ光の名前が異なっても発振波長が合えば使用できます。必ず波長をご確認ください。 作業性から、可視光線透過率がよく、レーザ波長の吸収率のよいレンズ(OD値が高いもの)をお選びください。

レーザー保護メガネの選び方
レーザー用保護メガネ 光学濃度(OD値)とは
光の透過量は透過率%で表示されます。レーザ光の様な特定波長は、吸収が多いほど(透過率%が限りなくゼロに近い)、目には安全です。それらを分かり易く表示したものが光学濃度(OD値)です。光学濃度は吸収度合を対数で表示したもので、透過率との関係は下表になります。
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※ OD値が大きくなれば、入射光の減衰率は大きくなり、保護機能が高いことになります。
※ OD値が大きくなれば透過率が低くなります。
レーザーの種類と波長
レーザーの種類、波長に適したレーザー保護メガネを選択する、波長が適していないと重大な事故に繋がります。
※レーザー光吸収タイプはOD値が高い
※レーザー光が一部見える見えるタイプ 光路確認・光軸調節用はOD値が低い
レーザー用保護メガネ どこで売っている?
レーザー用保護メガネは、主に以下の場所で購入できます。
1. オンラインストア:
- 大手オンラインショッピングサイト:
- Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手オンラインストアでは、様々なメーカーのレーザー保護メガネが販売されています。
- 価格や種類を比較検討しやすいのが特徴です。
- 専門オンラインストア:
- モノタロウ、オレンジブックなどの専門オンラインストアでは、産業用レーザー保護メガネが豊富に揃っています。
- 専門的な知識を持ったスタッフが対応してくれる場合もあります。
- メーカー公式オンラインストア:
- 山本光学、理研オプテックなどのメーカー公式オンラインストアでは、より専門性の高い製品を購入できます。
2. 実店舗:
- ホームセンター:
- カインズ、DCMなどのホームセンターでは、DIYや軽作業用のレーザー保護メガネが販売されています。
- 作業用品専門店:
- 作業服や安全用品を扱う専門店では、様々な種類のレーザー保護メガネを取り扱っています。
- 家電量販店:
- ビックカメラなどの家電量販店でも取り扱いがあります。
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おすすめ商品:山本光学 YL-250G レーザー保護めがね(強化ガラスタイプ)
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安全衛生保護具(眼鏡、ゴグル、防災面、レーザ用)、プレス機械用周辺機器(安全装置、検出装置、荷重監視装置)の生産販売サービス。
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●ヤグレーザ●企業/大学研究所●加工機製作●機器使用者●自動車工場●溶接関係●通信関係等
レーザー保護メガネの使用方法・保守・管理
レーザー保護メガネの使用前の点検、使用上の注意、眼保護具の保守・管理、消毒方法、交換時期については次の記事を参照してください。
1. 使用方法:
- 適切な製品の選択:
- 使用するレーザーの種類、波長、出力に合った保護メガネを選びます。
- 光学濃度(OD値)が十分であるか確認します。
- JISなどの安全規格に適合しているか確認します。
- 装着前の確認:
- レンズに傷やひび割れがないか確認します。
- フレームに歪みや緩みがないか確認します。
- 顔に正しくフィットしているか確認します。
- 使用中の注意:
- レーザー光を直接見ないでください。
- 保護メガネを着用していても、過信は禁物です。
- 作業中は保護メガネを外さないでください。
- 適応する波長以外のレーザー光には絶対に使用しないでください。
- レーザー保護めがね着用時もレーザー光を直接のぞきこまないでください。
- レーザー保護めがねを溶接用として使用しないでください。
レーザーの散乱防止
① レーザー発振器や加工機の周囲はレーザーカーテンやレーザーフィルタなどで囲い,できるだけレーザーの散乱を防止しましょう。
② レーザー発振器や加工機の周囲を囲めない場合は,衝立てなどで作業者や周辺作業者を守りましょう。
2. 保守:
- 清掃:
- 使用後は、レンズやフレームの汚れを柔らかい布で拭き取ります。
- 汚れがひどい場合は、中性洗剤を使用し、水で洗い流します。
- シンナーやベンジンなどの溶剤は使用しないでください。
- 保管:
- 傷がつかないように、専用のケースに入れて保管します。
- 高温多湿の場所や直射日光の当たる場所は避けて保管します。
- 裸で作業服のポケットに出し入れしないでください。
- 定期的な点検:
- 定期的にレンズやフレームの状態を点検し、異常があれば交換します。
- 一度でも大きなレーザーエネルギーを受けたり、損傷が発生した場合は使用しないでください。
3. 管理:
- 使用記録の作成:
- 保護メガネの使用状況や点検記録を作成し、保管します。
- 定期的な交換:
- 保護メガネの寿命は使用頻度や保管状況によって異なりますが、定期的な交換が必要です。
- 製造メーカーが推奨する方法を踏襲する必要があります。
- 作業環境の整備:
- レーザー光が不用意に漏れないように、作業環境を整備します。
- レーザー管理区域では必ずこのめがねをかけてください。また作業中めがねを外さないでください。
その他:
- 取扱説明書をよく読み、指示に従って使用してください。
- 不明な点があれば、メーカーや専門家に相談してください。
まとめ
レーザー保護メガネは色々な商品が各メーカーから販売されているので予算、使用目的を明確にして購入してください。
中国製の価格が安い商品も販売されていますが『安物買いの銭失い』にならないよう良く吟味してください。
*最後にその他の安全保護具については下記を参照にしてください。
関連記事:安全衛生保護具の正しい選び方、使い方
